ファミリーヒストリー「小島よしお 〜ひたむきに天職を追い求めて〜」を視て昔を思い出す
令和7年2月19日(水)放送のファミリーヒストリー(NHK、よる7時57分)に小島よしおさんが出演。ご先祖さまが愛知県犬山市の旧入鹿村出身ということで、びっくりした。真っ先に同級生の小嶋君を思い出した。其処は彼となく似ているのだ。
同級生の小嶋君の前に、かつて入鹿村だった「入鹿池事情」について話すことも、あながち無駄なことではないと思う。入鹿池に釣りに行くことは昭和の近隣小学生にとっては一大イベントだった。当時の土曜日半日授業のあと、午後にまた皆で集まって、当時流行ったスーパーカーのような自転車(少年用スポーツサイクル)を漕いで入鹿池を目指すのだ。昭和の少年たちを熱狂させたスポーツサイクルを1時間たっぷり漕ぐだけでも爆発的な高揚感があるというのに、さらにこの午前に学校、午後に入鹿池というのが、輪をかけて実に愉しかった。
ちなみに日曜日の朝から皆で入鹿池に行っても左程楽しくない。午前中に学校で勉強して、速攻で昼をかき込んで、午後に釣りに行くからこそ素晴らしく良いのだ。そして暗くなった帰り道、後部エレクトロンを集団で煌めかせ、下り坂を疾走する…この無限大の良さは昭和の小学生にしか理解できないと思う。(もっとも皆フラッシャー球切れで、2~3台光っていれば良い方だったけれども)
しかしこの後部エレクトロンのデザイン、どこかで見たことがある…と思ったらあれですね。アルファードのフロントグリルとその周辺。シンメトリックな中央6行6列の数もピタリ一致しています。アルファードのデザイナーは宇角直哉さんですが、きっと小学生時代、彼もまた熱狂的な少年スポーツサイクルファンかつ、何らかの心残りがあるのでしょう。パブロ=ピカソではありませんが、少年時代の夢を大人の感性で現実化させると、売れる商品が出来上がるものです。
松本零士少年の宇宙の夢は宇宙戦艦ヤマト、銀河鉄道999へ。本田宗一郎少年の大空への夢はHONDAジェット、HONDAロケットへ。そして今の20代、30代はアルファード大好きです。宇角少年の1970年代の夢が、2020年代にアルファードのデザインに生まれ変わり、世代を超えて刺さるとは愉快じゃないですか。
閑話休題。入鹿池まで行くと、ものすごく喉が渇きます。観光地たる池周辺の自動販売機は昭和当時150円と50%割高で絶対に利用することはできない。当時の私は月300円の小遣いだった。そういう訳で水筒持参が絶対だった。タイムマシンがあれば初入鹿池へ出発前の俺に教えてやりたい。きっと「未来のおじちゃん、教えてくれて、ありがとう!」と礼を言われる。
しかし子供の人数が多くて楽しかったのはここまでだった。平成時代に突入し、高校から先は多すぎる世代人口が逆作用する。受験人口MAXの、大競争時代が始まるのだった。バブル崩壊前に小牧工業高校を卒業→トヨタグループに就職が、実は唯一の正解肢だったなんて、当時は知る由もなかった。
タイムマシンがあれば中学生の俺に…きっと、俺のことだから「おっ!未来の俺、髪の毛まっくろけっけ(※名古屋弁)で、フッサフサ!」と人の話を全く聞かずに、斜め上のことにしか興味を示さないと思うが、それでも教えてやりたい。
「いいか過去の俺、よく聞け。髪の毛の心配は要らないが、犬山南高校には行くな!滑り止めに私立の愛知高校も受かっただろう?小牧工業はもう間に合わんが、せめてそちらに行っておけ!少子化からの校名変更で母校の名がこの世から消えてなくなるぞ!バブルが崩壊して、氷河期が来るぞ!進学も、資格試験も、就職も、結婚も、子育ても、非残クレで新車購入も、新築戸建て+ペットの犬も、とんでもなく狭き門になる」と。「野原ひろしは未来世界では有り得ないスーパーエリートになるんだぞ」と。「言い忘れた。どうしても犬山南高校に行くなら芸術の選択科目で音楽は取るな。高校音楽はハンパじゃない。中学までとはレベルが違う。移調なんて微積より遥かに難しい。悪いことは言わない。書道にしておけ。1枚書いて提出して終わりだ。」
閑話休題。旧入鹿村と入鹿池の歴史について、地元の小学生なら必ず勉強する。(令和の今はどうなのだろうか)学校の演劇の題材にもなった。思い起こせば平成6年大渇水の当時、受益市町「犬山市、小牧市、大口町、扶桑町」は入鹿池のおかげでぎりぎり助かったと聞いている。江戸時代に水没してしまった入鹿村の人々の犠牲のおかげで、いまがあるのだ。
※入鹿用水以外の木曽川水系は渇水によって時間給水制限を余儀なくされた。https://www.mlit.go.jp/common/830005899.pdf そんな大渇水から二十年を経た平成27年、入鹿池は世界かんがい施設遺産に登録されました。
https://www.maff.go.jp/j/nousin/kaigai/ICID/his/attach/pdf/22_whis.pdf
現入鹿池の旧入鹿村は、私の実家の2つ隣の旧村で、たぶん同級生の小嶋君のご先祖様も入鹿村の出身だったのだろう。、声質と風貌が小島よしおさんと(そう言われてみれば)おぼろげに似ている。「音楽好き」でも共通していて、小嶋君は歌がとても上手で素晴らしいテノールボイスだった。学校のテノール代表に選ばれる程だった。マッチョな感じも何となく似ている。良い声を出すには体格が必要なのだ。
神主さんは「警蹕-ケイヒツ-」といって「オぉぉぉぉぉ」と神聖な声を発する。「神様が通るぞ!」とばかりに。お伊勢さんの式年遷宮も「カケぇぇぇコぉぉぉぉぉぉ」と鶏鳴三声(けいめいさんせい)から始まります。小嶋君の素晴らしい歌声は神職のご先祖から受け継がれた警蹕由来だったと、番組を見て妙に納得した。ということは小島よしおさんの「そんなの関係ねぇ!」も実はご先祖の警蹕由来だったのかと。天と地を結ぶ神職の言霊と、琉球音感の高次元の結晶が「そんなの関係ねぇ!」の、大本(おおもと)にあるのかもしれない。そうとでも考えなければあれだけ多くの子供たちから大歓声が沸き上がり、心を勇気づける理由が説明できない。明らかに言霊が出現している。(※個人の感想です)
小嶋君、元気でやっているのだろうか。合唱のメンバーで、河口( 混声合唱組曲『筑後川』)また歌おうな!