春日井市 I.M様 トヨタ トヨエース 車検 ありがとうございました。
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みなさん、お元気ですか? 行政書士の松山です。
Q.学校の成績を良くするには?
A.漢字で成績と書ければ、良い方に向かいます。
(3行でまとめました)
ときに、勉強の「勉」は3年生で習います。勉強を漢字で書けないと、勉強するうえで流石にマズい…防衛本能が作動するのか、小学3年生たちはけっして間違えません。仮に書けないと周りから何を言われるのかわかりません。「ちょ!おま!漢字で「勉強」書けないの!?」自分の名前を漢字で書くレベルで間違えないと言っていいくらいです。
ところがそれで安心するのか、油断するのか、9歳の段階でもう燃え尽き症候群になってしまうのか、漢字「成績」となると、まるで話は違ってきます。教育・受験指導の西村創先生(河合塾Wing)によると成績の績は間違えやすい漢字の王様格で、大人になっても成積と書き間違えてしまう人が少なくないといいます。
みなさん!績という字は小学5年生で習いますが、5年生の子に成績はなぜ成績と書くのか、説明できるでしょうか?
偉そうに書いていますが、私自身もつい数年前まで曖昧なままでした。由来が解るようになったとき、人生の大事な忘れ物を見つけた思いがしました。
「ここか!」「小5の、ここから人生をしくじっていたのか!」絡みついた過去の糸を順番に解きほぐし、人生をやり直していくうちに、気付けば(?)行政書士試験に合格していました。そうです、成績が腑に落ちて、書けるようになれば成績は良くなるのです。こんな単純なことに何故気が付かなかったのか…勉強と人生につまずくメカニズムって意外にミクロなところに、小学5年生に習う成績の績が起点にあったのです。
腑に落ちるのが重要について、事後的に調べたところ一応、センスメイキング理論という理屈があるそうです。
人は、データ等の数学的正確性ではなく、何故そうなるのかストーリーを理解し、腑に落ち納得して、やっと行動できるようになる。
SONY復活も平井一夫 元会長の同理論実践によるもの。
(ソニーとは?→平井会長は消費者に感動を届けることが原点と定義→株価総額7兆円に回復)
https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/rt/629924.html
カール=エドワード=ワイク名誉教授 レンシス・リッカート特別大学の組織心理学者でセンスメイキング理論を提唱。 https://dhbr.diamond.jp/articles/-/10189
数年前の私は「成績を上げるとは?→漢字で成績が書ける(腑に落とす)ことが原点」と定義付けしていたわけです。至って単純です。単純(シンプル)とは、奥が深いものです。ジョジョの奇妙な冒険 第3部で、イギーのスタンド能力を見た空条承太郎もこう言います。「うむ、シンプルなやつほど強い」「おれでも殴れるかどうか…」
それでは皆さま、お待たせしました。奥深き漢字「成績」に迫る、奇妙な冒険譚、始まります!
「勉強はコツコツ積み上げるものだから成積じゃないの?」(うん、気持ちはわかる!)
「成績?通信簿と糸って何の関係もないよ?どう考えたって、おかしいじゃん!」(ふむ。なるほど。)
「ねえ、どうして成績(score)の績は糸偏が使われるの?理由は!?」(キミは少年時代のエジソンか!)
「意味が解らない!パパの説明、納得できないよ!納得できないから僕、これからも成積って書くね!」(おいおいおい…)
上記は親子の架空の会話ですが、これが小学生5年生を境にして、成績が良くないほうに向かう、最初の第一歩・一丁目1番地・水準原点なのです。底値まで一気に悪くなるわけではありません。むしろ中1の何処かで一旦上がったりもします。これは大相撲に例えると序の口優勝のようなもので、元横綱・北の富士勝昭氏の解説によると、基礎習得中の、序の口の段階で優勝しても、その後の成績は伸び悩むといいます。(三段目、幕下優勝は将来有望)そのように中1の前半に序の口優勝しても、最も大切な基礎力を固めず、水面下では良くない方向に進んでいることに変わりはなく、次第に学力低下は表層に現れてきます。そこからはバブル崩壊後の株式チャートのように上下しながら、3万8915円87銭から6994円90銭まで着実に下降していくのが恐ろしいのです。
最初の第一歩をガラパゴスな方向へと無手勝流に踏み出しているので、勉強をしても、やっても一時的に上がる事はあれども、平均移動線は下がる一方です。
加えてイラストの子は「成績?通信簿と糸って何の関係もないよ?どう考えたって、おかしいじゃん!」と言っています。これは試験委員の欲する回答とは掛け離れています。このままでは将来コミュ障まっしぐらでしょう。試験は試験委員との対話です。作家の日下公人氏は国家公務員試験に首席で合格しましたが、試験作問者の著作等から思想傾向を徹底的に調べあげ、試験委員が高評価するであろう答案を書いたといいます。
イラストの子のような方向性では、試験の意図に添った、正しい方向性で標準規格化された理解・整理・記憶と、問題演習の往復をする友には、太刀打ちできません。彼らとは差が開く一方になりますが、両者には勉強の速度や分量にそこまで大差はありません。それなのになぜ指数関数的に差は開いていくのでしょうか?
そのメカニズムを図解したものが(成績の壺)↓です。
基礎力を固めず、勉強の方向性も誤ると、橙線・緑線・黄線のように、壺の壁にカキーン、カキーンと跳ね返されLEVEL.10.20.30以上に成績を上げることができません。いま自分が何をやっているのかにも気が付きません。成績と同時に進路も乖離するので、青線の友達とは、きっと縁も遠退いてしまいます。クラス会や成人式、友の結婚式といった節目で、孤独で苦しい思いをすることになるかもしれません。
青線の友達は、
①何よりも情報収集に重きを置いて、
②師と良好な信頼関係を築き、
③師から成績優秀者の思考過程と、
④勉強の方向性の指導を仰ぎ、
⑤自らは勉強に専念し、
⑥成績の狭軌線から外れないよう、
⑦注意深く、相談を重ねつつ、学習を進め、
⑧最短距離でLEVEL.99へと進んでいきます。
成績という字を「理屈を考えるよりも体得しなさい」「50回、100回書いて覚えなさい」という間違った方向性では漢字嫌い・国語が嫌い・語学(英語)も全部苦手という、かつての私のような勉強嫌いな子供が量産されてしまいます。反対解釈をすれば、なぜ成績と書くのか、その理由・語源がわかれば、記憶は定着し、奥深い漢字・語学の世界に興味が湧く子達が増える筈です。
※実際に福井県の全小学校では、漢字の成立過程や背景、精神を、甲骨文字、金文まで突き詰めた白川静博士の学説を2008年4月以降、国語の授業に取り入れています。児童に無味乾燥な漢字書き取りを強要するのではなく、漢字の成立を理解、整理、記憶する学習方法です。ノーベル賞の南部博士によると、福井県は大正新教育運動の時代から既に教育先進の気風に富み、更に遡れば越前・若狭は江戸時代を通して500以上の寺子屋がありました。今や福井県は全国学力テスト上位常連で、令和5年度の行政書士試験においても、福井県は47都道府県中、合格率第1位の好成績でした。福井!畏るべし!
東京の「ふくい南青山291」において、福井県の小学校で実施している漢字の授業を体験してもらう「体験!福井の漢字学習」が実施されました。
福井県の小学校で使われている副読本がAmazonや楽天ほかで購入できるようです。もちろん福井県以外にお住まいでも購入可能です。私自身も福井県教育委員会(編集)の「白川静博士に学ぶ 楽しい漢字学習」買いました。私の小学生時代にも、このような素晴らしい本があったら…と悔しい限りです。
そんな悔しい思いをするのは私までで十分です。成績はなぜ績なのでしょう? さあ、「カキーン、カキーンと跳ね返され続ける橙線ルートを回避」するためにも、成績という漢字の歴史から振り返ってみましょう。成績の歴史を振り返えれば、同時に漢字がなぜ数千年にわたって今日まで受け継がれてきたのか、その謎?に迫ることになるかもしれません。
それくらい成績の成り立ちには謎が多く、現代日本の価値観では理解し難いものがあるのです。皆さんには心のタイムトラベラーになって、時空を超えて数千年前の東部ユーラシアの価値観にフォーカスを合わせて頂く必要があります。前準備にまずは下2枚の画像をご覧ください。じつはこれ、古代のSNSともいえるものなんです。
古代のSNSこと、兮甲盤(けいこうばん)2850年前の青銅器(46億円)に、最初の手がかり(成績のルーツ)が見つかります。紀元前825年の周王朝(殷周秦漢蜀晋…の周)の時代ですね。
①周王(宣)が北方異民族を征伐すべく、親征します。
②周王宣は同行した軍士「兮甲(けいこう)」に討伐と徴税を命じ、
③兮甲はそれに成功、祝勝会で周王より褒賞を得ました。
④兮甲は青銅器に己の功績を133文字刻ませます。
いつの時代でも人間のやることに変わりはありません。兮甲が己の功績を刻ませたのは、21世紀の私達が国家試験に合格をSNSにあげて「イイね!」をもらうのと、まったく同じです。Xの文字数制限は全角で140字ですが兮甲盤は133文字と、見事制限内に収めています。兮甲将軍という人もまた、物事を純化し、シンプルにすると本質が見えるという美意識の持ち主だったと推察されます。…しかし兮甲盤、時代を2835年も先取るとかオーパーツ並みの凄さですね。46億円の値が付くのも納得です。
繰り返しになりますが、この記事は成績を良くする方法が主題ということで、その目的のためだけにタンスの引き出しの奥から2850年も前のSNS「兮甲盤」を引っ張り出してきたのは、人類の歴史上、私が初ではないでしょうか(笑)兮甲盤で検索していただくとわかりますが、難しい学術論文pdfか、商業取引記事で散見されるだけで、世俗では私以外の誰も、まったく話題にすらしていません。周の兮甲将軍(※兮甲尹吉甫)もまさか己の碑文が…と、まあ、2850年前には想像すらしなかったと思います。
※兮甲(姓名けいこう)尹(官職名:軍士・軍司令官いん)吉甫(字名きっぽ) 文武両道に秀で、『詩経』大雅の「崧高」「烝民」の2篇に、兮甲作誦の句が今日まで残る。2017年のオークションにて、兮甲盤は3150万ドル(約46億円)で落札された。
①緑の枠は成周四方の責と読みます。(四方八方の四方って、2850年前に既にあったのですね)
②兮甲盤は133文字で46億円ですから、
③この漢字5文字だけでも1億7300万円の価値があることになります(^_^;)
④成周は周第2の城塞都市です。(ちなみに首都の城塞は宗周)
⑤||||は漢数字の四です。
⑥四と書く前の時代は4本の横棒で四です(||||が四になったのはキングダム始皇帝の時代、文字統一以降になります)
⑦(||||と四は厚切りジェイソンさんの漢字コントを思い出します。)
⑧成周四方の責は超訳すればジャイアニズムです。
⑨成周の四方(周辺地域)の収穫物は周のもの。周のものも周のもの…といったところでしょうか。
閑話休題、橙の枠は其の帛(白+貝)、其の責、其の進人(そのハクそのセキそのシンジン)で、要するに租調庸です。歴史の授業で習いましたね。租調庸の歴史も兮甲盤に見ることができると思うと感慨深いものがあります。誠に貴重な第一級の歴史的資料です。帛が第一目的(メイン ターゲット)に挙げられていることに注目してください。しかしどうして主食の穀物よりも、織布のほうがメインなのでしょうか? え、兮甲盤に彫ってある帛の古い字形って(白+貝)? 貝は通貨の漢字だから織布は、白い通貨?どういうこと?(もうお分かりですね!)
帛→織布
責→穀物
進人→奴婢
白+貝はさておき、時代を経ると責で賦貢(租税)全体を表すようになります。白川静博士の字統によると、賦貢として納める農作物が積、織布が績とされました。甲骨文字の時代にはなかった新たな漢字です。500年経ってようやく績が出現しました。成績の績は、第一目標とされる租税、すなわち周王朝最大の歳入源のために作られた文字だったのです。
※東部ユーラシア伝統の蚕糸織布は、当時から世界最高品質で、後世の卑弥呼の時代、魏志倭人伝にも返礼品目として記録されています。(絳地交龍錦・絳地縐粟罽・蒨絳・紺青・紺地句文錦・細斑華罽・白絹…)
積も同じく租税ですが、殷や周の時代は鉄製農具はまったく普及していないことを忘れてはなりません。木製農具は損耗率が高く、作成も磨製石器か黒曜石による削り出しでしょうか。鉄製の鎌がないので、穂の収穫は石包丁。気が遠くなる時間、手間、重労働が必要です。鉄器普及による飛躍的な生産向上は400年後の春秋末期からです。当時の種籾1粒から採れる収穫倍率は4~5粒と推定されます。(現在の収穫倍率は1→約40粒)そして悪天候や自然災害の前に軍事・行政は無力です。たとえば東部ユーラシアでは、大規模な大雨や旱魃が起こると必ずといっていいほどトノサマバッタの群生相が発生して、大規模な農被害を与えてきました。蝗害は有史以来500回以上を記録、古代の頻度は平均して3年に1度。殷の甲骨文にも既に蝗害の記録が見られます。積は歳入として極めて不安定だったのです。
績は比較的ですが天候には左右され難く、行政による組織化、効率化、守秘義務、マネジメントによって質量共に安定したことが、後世の春秋左氏伝に記されています。絹糸を取引する官営機関、官営織場、官営裁場に、蚕餌桑畑の管理運営も王朝の重大事項でした。時代を経て蚕餌桑畑は黄河流域全体へと拡大することになります。(賦貢の)功績、(賦貢の)業績、(賦貢の)実績、(賦貢の)治績、(賦貢の)挙績、(賦貢と)戦績…績の付く漢字は、すべて周王朝期の軍事・養蚕行政に起源のある漢語です。成績以外のこれら熟語にも、なぜ績が使われるのか、ようやく見えてきました。
貴重な外貨獲得手段である蚕糸織布生産技術や、通経断緯等絹織物の技法は情報統制(守秘義務)も厳しく、西洋への伝播はユスティニアヌス帝の時代まで待たねばなりません。日本産の絹織物技術水準が本場に追いつくのも、ようやく江戸時代末期になってからです。
※天保13年、福島県伊達郡梁川町の中村善右衛門が養蚕用の寒暖計を発明。善右衛門の創意工夫により養蚕の温度管理が可能となり、日本の養蚕技術が飛躍的に向上した。
絹織物の化石といわれる緙絲(こくし)は、経糸と緯糸を交互に織り合わせて作る、東部ユーラシアで最も伝統的な絹織物。(撮影 許叢軍_新華社発)
しかし蚕糸織布生産技術において数千年に渡り世界TOPの品質、シェアを維持し続けたことは驚異的です。(対比すると、日本の半導体シェア売上高が世界70%→6%に転落するまであっという間でした)巨大プロジェクトが得意なのが大国たる所以なのでしょう。残念ながら半導体だけではなく、日本はこの巨大プロジェクトというものを大の苦手としています。蛇足になりますので、別記事に纏めておきました。リンクだけ張っておきます。https://www.rescue-119.jp/news/archives/1355
イラストの子の疑問は深まるばかりですが、本論の前に周王朝が績を集める目的を明らかにしておくのも、重要と思います。周王朝は周辺諸国、特に東南アジアとの交易で貨幣(宝貝)を入手するために績などの交易品が不可欠でした。績等を輸出して、子安貝を輸入していたのです。績は(現代風に言えば)付加価値が高く、換金率が高い商品ということになります。漢字の「かう」に相当する「買」や、「あきなう」に相当する「貿」、商業や商人を意味する「賈」や、貨幣などを表す「貨」も甲骨文字の頃から使用されています。後年の『漢書』食貨志によれば、宝貨制の貝貨は大きさによって5種類の価値があり、最小が3銭、最大が216銭に相当しました。なるほど、王や支配層には績(白絹)がまるで白い通貨に見えたことでしょうね。
ラブすぽ-gooニュース 「お金はいつ頃この世の中に登場したのか?【図解 経済とお金の話】」より
https://news.goo.ne.jp/article/love_spo/sports/love_spo-226144.html#google_vignette
①さて、更にもう一点重要で避けて通れないことがあります。責(旧字は朿+貝)の甲骨文字(右下画像)の字解を明らかにしなければなりません。そもそもなぜ責は責という形をした文字なのでしょうか?※以下閲覧注意です。漢字は(恋愛と同じで)光があれば、漆黒の闇もあります。ヒトの闇が苦手な方は読み飛ばしてください。
②十字に組み付けた標木(華表)+貝(財産)の会意文字が責です。
③華表とは、殷周時代から今日まで、東部ユーラシアを象徴する伝統建築様式に用いられる標柱です。甲骨文字と写真を並べて見比べると↓姿かたちが遥か昔と相似していることに驚かされます。
④王宮や陵墓、そして使府(軍事・行政機関)の参道入り口の両側に建てられました。
⑤古代世界の標木とは恐ろしいモノでした。まずは甲骨文字の形に注目してください。縦木の先端が尖っていますが、いったい何を刺していたのでしょうか?現在の華表のてっぺんには蹲獣像が乗っていますが、これは諸葛亮孔明と饅頭のエピソードと同様、当時はドン引きするような何かを刺していたのでしょう。
⑥十字に組み付けた標木はタダの横棒ではなく、横長のHの形をしています。※上の方で出てきた兮甲盤「成周四方の責」の責の朿も横長のHの形です。
⑦横長のHの形をした横木は甲骨文字「方」と同じ形です。死者を吊るす首枷の形です。なぜHの形をしているかというと両端は枷のストッパーです。※リアル首枷の画像はキツすぎるので、ニコニコ動画より画像引用させていただきました。
⑧画像右上「責」の甲骨文字の横木右端から滴り落ちているのは「血」と考えられます。ドン引きです。甲骨文を彫り込んだ神祇官のミスの可能性ですが、画像を見ると枷の右側は下から上に彫り込まれており、血の部分は上から下に(わざわざ逆方向に)彫り込まれていますので神祇官のミスは考え難いです。何よりも神に問う甲骨文に瑕疵は許される筈もなく神祇官の首が飛ぶでしょう。したがってこの記事では文字の一部としてわざわざ神祇官が血淋漓を彫り込んだと判断します。
※現代で誤字は消しゴムで消すか、画面上で入力訂正をすれば済みますが、古代社会では命懸け?だったのかもしれませんね。それはさて置き、古代は文字に自由度があり、たとえば漢字の「車」で「左側の車輪が損壊した」を一文字で表すこともできました。流血淋漓の責も他の責と書き分ける何らかの理由、プラスαの意味があったと思われます。
このように、一文字で何種類もあった豊かで自由な表現も始皇帝の文字統一で消滅しました。
左は呪詛により工を掲げ、神の左(たす)けを得るの意味があります。呪詛の助け…たとえば2024年現在、日本のすぐ隣の国のある人物の引き起こした戦争で世界中が大迷惑を被っていますが、核戦争になってしまう前に、彼の目がユーラシアの東側に転じ、次は日本に襲い掛かってくる前に、漫画デスノート的な神の呪術で何とかなるなら、何とかしてほしい…古代の人々はそのような気持ちで工(首枷の形代)を掲げ、呪術的儀式で神の左(たす)けを求めたのかもしれません。※もちろん呪詛で云々は不可能であって、現代日本の刑法では迷信犯(不能犯)。未遂犯にも相当しません。行政書士の立場で一応記載しておきます。
⑨風習そのものを対比しますと、日本と余りにかけ離れた残虐なそれで、ドン引きです。漢字の「道」も、都道府県の「縣」もそうです。ドン引きです。「責」「方」「道」「縣」のように死体、生首を殊更に吊り下げる残虐な風習は、異民族に恐怖を植え付け、戦後の反乱を避ける意図があると思われます。「逆らえばこうなる」という見せしめです。ウクライナ戦争でも同じような(ロシア兵による)遺体損壊の残虐行為がありました。ユーラシアは周りが全て異民族のリアル・バトルロワイアルな大陸です。同じ人間でなぜ大陸と日本でここまで違うのか。もしも日本海が無く、地続きだったとしたら、日本もどうなっていたかわかりません。
⑩時代を経て標木はその形だけが残り、華表になりました。
⑪有名なものとして、天安門広場にある一対の華表があります。
⑫『准南子』墜形訓によれば、華表は「都広に在り、衆帝の自りて上下する(天上の神と通じる)天の梯子」と理解されますが、華表が「天安門広場」にあるのが実に象徴的です。血生臭い歴史の記憶というものは、簡単には消し去り難いのでしょう。
周王宣が軍士兮甲に命じたように、軍隊で征服した地域を自国領土として使府(都護府・総督府)に標木(華表)を打立て、占領地から財産を(軍隊や行政の執行力で)租税として徴収するという、王から軍士に課された責務が責の原義になります。現代でも公の強制力、執行力(逮捕・拘束・重加算)を背景に税金が徴収されます。今も昔も同じです。おそらく未来もそうでしょう。
しかし改めて振り返ると、経営管理はともかく、北方異民族、征伐、総督府、死者を吊るす首枷の標木(華表)、賦貢、奴婢とか小学生にどう教えていいのやら、現代日本の価値観と対立する概念が総出演します。即ち、ユーラシア大陸の厳しすぎる地政学的特性です。小学5年生に、ありのままを伝えるのか、そっ閉じか、皆さまのご家庭ではどのように伝えられるでしょうか。突き詰めれば明日の日本を良くする国造りのための最良の方法という話にもつながります。子育て=国造り。親は責任重大です。現代の人権思想・ヒューマニズムを踏まえた対比等、情操教育上、配慮ある説明は必要かもしれません。
長かった漢字「成績」の物語も、こちらの第三部が最終回になります。あまりの長さと、独特な内容に、途中そっ閉じの方が90%と思われるなか、ここまで読んで頂いた10%の(物好きな)皆様に誠に厚く御礼申し上げます(-人-)
本題に戻りますと、白川博士の字統によれば、成績の原義はscoreを意味するものではなく、「賦貢の納入が規定に達すること」を成績(績ヲ成ス)といい、規定に達しないことを弗績(不績)といいました(※弗には「二つに分離」→「否定」の意味がある)
大事なことなので2度言います。賦貢積徴収のノルマ達成をもって績を成す=成績だったのです。
軍事行動に敗れて賦貢がゼロだと敗績です。【楚辞、離騒】に「皇輿の敗績せんことを恐る」の句があります。王は軍士に績を責任としてノルマを課しているのです。ノルマというものは恐ろしいものです。現代日本でもノルマ達成のためダイハツやトヨタが平成初期から30年以上不正に手を染めねばならぬ程に、生死を賭けた、もの凄いプレッシャーです。この DEAD OR ALIVE の構造は大学入試や国家資格試験のAll or Nothingな過酷さと酷似しています。受験指導塾・予備校や教材に多額の課金をして、貴重な時間を費やし、人生を賭けて、規定合格点に達するべく勉強し、プレッシャーに耐えて、最後は運も味方につけて、やっと合格率5%未満の本試験に合格、ハッピーエンド…では終わりません。それだけして、やっと得た合格は通過点に過ぎず、次は実務上の成果が求められます。敗績=不合格になればスタートラインにすら立てません。富も名誉も時間も、すべてを失うというわけです。
周王朝 DEAD OR ALIVE の評価構造
戦いに勝利し、新たに領土は獲得できたか? | 賦貢の徴収は、王が課した規定に達したか? | 効果 | |
成績 | 〇 | 〇 |
地位 |
不績 | △ | × | 戒告 譴責 懲戒 左遷 降格 減俸 肩叩 |
敗績 | × | ー |
亡国 |
ここまで長々と記述してきましたが、まだ謎が残ります。周王朝のDEAD OR ALIVE の評価構造と、後世の官吏登用試験や、科挙制度のAll or Nothingの評価が、その過酷さ等において余りに酷似しているため、いつしか学業や試験の評価に成績の文字が使われるようになった…と思われますが、思われますの表現の通り、これは推測に過ぎません。古代の成績が、試験の成績(score)に使われるようになった過程が不明で、資料も見つけることができませんでした。とはいえ状況証拠的に、試験の成績は当初(春秋~戦国時代)、隠語として使われたのと考えるのが自然ではないでしょうか。そのように仮定すれば、成績がこれだけ理解するのに何枚も何枚もベールを剥いでいかなければ辿り着けない理由も納得することができます。隠語ですから部外には意味不明な文字「糸」で表すことは、むしろ必然だった…現代日本でも中学受験に関する隠語はたくさんあります。
逆比 なぜ比が逆になるのかという過程をすっ飛ばし、結果のみを取り上げて強調するための用語。
コアプラス サピックスの理科、社会の教材。
カリテ カリキュラムテストの前は借りてきた猫のようになっている現象。
お客さん 上位クラス以外の、ただ通っている(ように見える)生徒。
お地蔵さん 講義中、理解できずに固まっている(ように見える)状態。
GS特訓 ゴールデンウィークサピックスの略。 朝の9時から夕方の5時まで授業を行う。休憩時間は30分。
島津パパ 漫画『二月の勝者』に登場する島津家のように振る舞う父の事。
ある高専でも、成績に関する隠語が、勉強会で飛び交います。
破壊神 クラストップ
十賢 上から10番以内
十本刀 下から10番以内
守護神 クラス最下位
絶対的破壊神、永遠の破壊神 常に成績トップを取り続ける生徒
https://kosen-sei.site/score/
第100代内閣総理大臣の母校ではクラス最下位をとった生徒のことをアーサー王伝説(聖剣エクスカリバーを抜くほどの力があるのに、肝心なところで失敗する伝説の王)になぞらえてアーサー。成績がクラスで下から2~13番目は円卓の騎士(アーサー王の側近12名に準えて)と呼ぶようです。今成績が悪くても、地力があることは認めており、「剣よりペンの方が強い」と笑いに変えているのです。
このように受験生、関係者は受験関係用語、隠語を使うのが好きです。隠語って若干笑ってしまいますね。ブラックなスパイスも欠かせません。隠語には便利さと、試験の過酷さを少しでも笑って中和させる作用があります。古代の受験生たちも同様に、過酷さ故に成績や敗績という周時代にはDEAD OR ALIVEを意味していた物騒な言葉を比喩的かつ自虐的に使い、そして言葉の裏側の笑えない部分をしみじみと噛み締めたのでしょう。
試験というものは受験人口の増加や、受験生側の対策が進むことで更に難化します。当初は隠語だったものが試験が難化するにつれ試験関係用語になっていったのでしょう。1970年代の日本にも受験地獄という受験用語があったといいます。実際に阿鼻地獄や叫喚地獄に落ちるわけではありませんが、競争率の激化によって受験生にとっては人生を賭した厳しい状況になっていったと。ほんの50年前のことですが全入学時代になった令和の日本では実感としては分からないものがあります。
この記事では、成績は古代の受験生・関係者の隠語・用語が一般化し、現代まで生き延びた、例外中の例外ともいえる言葉と結論付けます。春秋戦国期の当時の特殊な比喩表現ですから、現代人には余計に理解することが困難で意味不明です。50年前の日本の感覚ですら理解が難しいというのに、まさか数千年前の東部ユーラシア大陸のブラックジョークの感覚まで感知しないといけないとは(^_^;)
◎漢字「成績」を理解する為に必要な一般知識等
・地理・歴史・気象
・生物・軍事・政治
・経済・税制・農業
・経営管理・立柱祭祀・地政学・SNS
・ロマンホラー!~深紅の秘伝説~ JOJOの奇妙な冒険
・古代のジョーク←NEW!!
成績は約3000年の時空を超えた、人々の歴史、栄枯盛衰、生きる厳しさ、紙一重の差、時の運、受験生の悲喜、不条理の世界…といったものが現代にまで伝わり、そしてひとつに繋がる、ながい長い物語といえるのではないでしょうか。
「地名はその土地の記憶」といいます。地名に記憶が刻まれているなら、漢字にもその歴史の記憶が刻まれているに違いありません。漢字の由来をひも解けば、大陸の厳しい現実を生き延び、巨大プロジェクトを成功させてきた大陸の人々の思いが甦ります。同時に大陸文化や漢字等の良いものだけを抽出し取り入れ、「バトルロワイアル・残虐な風習・恐ろしい漢字の由来」を拒絶してきた我が国のご先祖様の取捨選択の知恵にも頭が下がります。日本の漢字は残虐さの欠片も無い誇り高き日本の文字であって、磨き上げられた日本語そのものなのです。これらの受け継がれた人々の営みや、社会を映し出す言葉もまた、かけがえのない未来への遺産と思います。
まとめ
(なぜ成績は績なのか?)
①3000年前の国際通貨は宝貝だった。※アンダーソン (J. G. Andersson) 松崎寿和訳『黄土地帯』1987, 六興出版
②金文によれば、周王朝はa.財貨、b.諸侯に下賜する賞賜、c.呪術的装飾品、d.遠くは印度との交易(後のシルクロード交易)の媒介等ために、宝貝が必要だった。
③国際的に競争力のある高品質の絹織物を輸出し、東南アジアから宝貝を輸入した。※後の漢代以降、絹織物(シルク)はシルクロードを通じてユーラシア全域に伝わった。
④より多くの宝貝を得るため、周王は周辺諸国を攻め、華表を立て、蚕糸織布他を賦貢として取り立てることを、配下の軍士たちに命じた。
⑤やがて織布の賦貢を表すために、甲骨文字の時代には無かった績という漢字が新たに作られた。
⑥績の納入が規定に達することを成績といい、達しないことを不績といった。
⑦成績は軍士たちに課せられた重い責任だった。その失敗を敗績といい、敗績は全てが終わることを意味した。
⑧このDEAD OR ALIVE の評価構造と、後世の官吏登用試験や、科挙制度のAll or Nothingの評価が、その過酷さ等において余りに酷似しているため、いつしか学業や試験の評価に成績の隠語・試験関係用語がブラックジョークとして比喩的に使われるようになった。
⑨用語が浸透し、ジョークの要素が薄れ往き、一般語になった成績は、浸透の仮定で、周の時代の成績・不績・敗績、全ての意味が、成績に統一(吸収合併)されるが、難関試験の9割以上が不合格になることを考えると、敗績の隠された存在感が内実として大きい。
⑩成績は、それを肺腑で体感した遣隋使、遣唐使の留学生によって、日本にもたらされ、令和の現在も尚使われ続けている。
⑪古代と現代の成績で決定的な相違点。古代の敗績に命の保証は無かったが、試験は不合格でも命まで取られることはない。
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